胚の凍結保存と解凍胚移植に関する説明書
1) 対象
 当院では、基本的に胚移植の数を2日目または3日目移植の場合原則2個まで、胚盤胞移植の場合原則1個までとしています。胚移植後の余剰胚が良好胚で、希望のある方には、胚の凍結保存を行っています。凍結保存した胚は、後日融解して胚移植することができます。また、卵巣過剰刺激症候群や子宮内膜環境不良などの理由で新鮮胚を移植することが不適当な場合、胚を凍結保存して後日融解して胚移植に供することができます。
2) 胚の凍結保存の実際
 具体的な方法としては、耐凍剤を含む保存液に胚を浸し、ストローに入れて液体窒素内で保存されます。保存した胚の生存性は、液体窒素内で半永久的に維持されると考えられています。また、凍結胚による先天異常の割合は、非凍結胚の場合と変わらないことが報告されています。
3) 胚の凍結保存期間と破棄について
 胚の凍結保存期間は1年です。凍結保存の継続を希望する場合は1年以内に申し出てください。凍結保存の継続を希望された場合、1年毎に継続の手続きが必要となります。凍結保存の継続は、卵子を採取した女性の生殖年齢を超えない範囲でのみ可能となります。
 ただし、以下の場合は、凍結胚は破棄されます。
① 夫婦が離婚した場合
② 夫婦のいずれか片方からでも凍結保存を中止する申し出があった場合
③ 夫婦のいずれかが死亡した場合
④ 凍結保存の継続について申し出のないまま保存期間が1年を超えた場合
⑤ 凍結保存していた胚が天災や予期せぬ事情(地震、火災、異常気象など)により使用不可能になった場合
4) 費用
 胚の凍結保存と解凍胚移植は現在保険が適用されていません。凍結保存に関する費用は約4万円、解凍胚移植に関する費用は約7万円、凍結保存継続に関する費用は約2万円です。(2006年12月現在)
5) その他
 当院は日本産科婦人科学会の生殖補助医療実施医療機関に登録しており、当学会への体外受精、顕微授精、胚の凍結保存の治療実績の報告義務があります。治療経過に関する情報を、匿名性を保った上で学会発表あるいは学術誌に投稿することがあります。


 このパンフレットは、横浜市立大学で胚の凍結保存を受けられる方のために作成されたものです。よくお読みになり、具体的にもっと詳しく知りたいことやご不明な点がありましたら遠慮なくお尋ねください。